blog

祖父と始まりの話。

河野です^^

ご無沙汰しております。
実は先日、僕の祖父が亡くなりました。
それで、葬儀に出席したりなんやかんやでここ2日間ほど、あまり仕事をせず、祖父のそばに居ました。
ようやく、落ち着きましたので本日から再始動です^^

祖父は、僕が建築の道へ進んだ理由を作った人です。
大工さんをして、現場監督をして、僕が生まれる前には工務店をつくり、家を建てる事を一生の仕事としていました。
そんな人が身近にいたもんですから、進路を問われた時には建築という選択肢は大きなものでした。

社会に出て数年後、祖父の会社に就職しました。
今、お付き合いのある職人さん達は、その当時に出会った人たちです。
もう、十数年になります。

祖父の会社に就職した年は、現場で挨拶をするのが苦手でした。
なんせ、強面の職人さんが多い業界です。
話せば優しい、よく笑う職人さんだと今は知っていても、当時は怖かった(笑)
そんな物怖じする僕を、祖父は現場に連れて行って「おい、しっかり声ださな聞こえんぞ!」と叱咤したものでした。

未だに、初めて連れて行って貰った現場を忘れることはありません。

祖父には色んな事を教えて貰いました。
図面の書き方、現場での職人さんとの話し方、そしてお客さんの為にどれだけ頑張るかということ。
彫刻が好きだった祖父は、家を建てる時に鼻隠しという板に燕の彫り物をしていました。
建築として本来どうあるべきかという事を、家づくりで考えるのも大事ですが、祖父はそれよりも「家づくりをいかに楽しむか、いかにお客さんに喜んで貰えるか」を
大事にしていたように思います。

一緒に仕事をするようになって、僕が設計の仕事をするようになり、現場監督も始め、じょじょに祖父の仕事が減った時でも、毎日仕事の事ばかりを考えていた人でした。

何て言えばいいのか、祖父が亡くなる前にも、祖父にもっと教えて貰えば良かったなどと考える時期はありました。
でも後悔はしていませんし、技術的にどうこうでは無く、祖父ならば今どうするか?そういったことを亡くなった今は考えるようになりました。

共に仕事をしたのは10年にも満たない年月でしたが、祖父が話してくれた言葉を、祖父が見せた仕事に対する姿勢を、
少しづつ思い出しながら、これからは僕自身の仕事として磨いていきます。


じいちゃん、ありがとう。


関連する記事