blog

【勘違いされやすい!?】新耐震基準でも建物倒壊!木造住宅の耐震性を整理


石川県能登地方で1日に起きた最大震度7の地震で、木造住宅の被害が話題になっています。
その中でも「新耐震基準でも建物が倒壊する」といったニュースが出ていて、
旧TwitterのXでも「新耐震基準で建物が壊れるなら木造住宅は不安だ」といった声もあったりして、
これは
新耐震基準という言葉自体を一回整理する必要があるなと思い、このブログを書いています。

そもそもこの新耐震基準はいつから適用されているかと言いますと、
1981年の6月1日からです。昭和56年ですね。
この昭和56年以前を旧耐震基準と言い、昭和56年以降を新耐震基準と言います。

今回のニュースでは、昭和56年以降建てられた建物がかなりの割合で倒壊していると言い換えられます。

では、この昭和56年以降の建物は、全てこの基準かと言うと、実は違います。
それが、平成7年1月17日に発生した阪神・淡路大震災での被害を受けて、新たに造られた基準、2000年基準と言われるものです。
この2000年基準は(新・新耐震基準)という新しいという漢字が2つ組み込まれた表現もされています。
ここで地震に対して柱が引き抜かれるのを防ぐ軸組み金物の基準が新しく出来ました。

このように大きな震災があるたびに木造住宅の耐震性について議論され、基準が新しくなってきた訳ですね。

なので、今回のニュースを受けて思う事は、大地震から家族の命と財産を守るためには、昭和56年の新耐震基準では不十分であり、現在の2000年基準である新新耐震基準以上で耐震化を図ることが最低限必要かと思います。

2024年現在では、耐震等級の表示が確立されていますし、2025年には柱の太さなどの構造基準が新たに改正されます。
ニュースでは建物の倒壊をあえて古い基準で注目されるような内容が多いですが、それよりも2000年基準や耐震等級といった現在の基準に寄り添った報道も増えていけば、フラットな視点も増えていくんじゃないかなと思います。



関連する記事