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柱がだんだん太くな~る。


こんにちは、河野です。
今回は遠そうに見えて近い将来のお話です。

皆さんは、柱の太さを気にされた方はいらっしゃいますか?
正直、あまり考えたことも無いという方がほとんどじゃないでしょうか。

実は柱の太さは3.5寸と4寸と言われる2つの太さがあります。
※実際には他にもあるけど、有名なのはこの二つなんですね。

この柱の太さ。
2025年4月には大きく変わります。(予定)

では2023年現在と2025年未来ではどのように変わるのか。
実際に数字で比較してみましょう。
比較する建物はピースホームのZEH住宅で平屋建ての場合。

2023年現在では柱の太さは3.5寸。mmで言うと105mmです。
2025年未来では柱の太さが4寸。mmで言うと120mmに変わります。

なぜこうなるのかと言うと、新しく出来る一つの基準によって変化します。
それが、、、
建築物の荷重の【実態に応じて】、算定式 により、柱の小径(太さ)を計算
という基準です。

2023年では別の基準で計算されていますが2025年4月を境に、現行基準は廃止、
新基準で計算する事になります。
さきほどお話しした【実態に応じて】という部分がZEH基準の家の場合、付加断熱材や太陽光発電など
建物自体の重さが過去の家よりも増えている為に、その【実態に応じて】基準がシビアになったと
考えて貰うのが分かり易いかと思います。

具体的な計算方法は
【横架材間の垂直距離】の1/30=柱の小径(太さ)
数値を入れて式を入れ替えると、
柱の小径105mm×係数の30=3,150mmが横架材間の垂直距離となります。

これが2025年になると
柱の小径105mm×係数が25=2,625mmが横架材間の垂直距離となります。

ここでようやく横架材間の垂直距離が何に影響するかと言いますと、
天井の高さや建物自体の高さに関係します。
数字が多ければ天井の高い建物が作れますし、数字が小さければ天井を低くせざるを得ないという訳です。
さきほどの2025年基準で柱が105mmの場合、
天井の高さが最大でも2m30㎝しか取れない可能性が有ります。。。

現在の柱の太さだと天井が低くなる。
これは人によっては悲しい問題です。

じゃー2025年には柱を120mmまで太くすれば良いじゃないか!
と思われた方に、悩ましい問題を一つだけ。

柱を太くする場合、その柱と繋がる土台や梁と言われる他の木材も基本的に太くなります。
という事は、、、そう。木材の価格が更に上がる。という事は家の値段が更に上がる。。となります。

天井を高くするためには柱を太くして予算も増やさなければならない。
というのがほんの少し先の未来のお話です。

ここまで聞いて、正直、えーーそんな基準にして欲しくないよ!と思う方も多いでしょう。
でも、建物が重くなるのは必然の時代です。
ガラスも1枚だけだったのが2枚、そして3枚へと増えています。
重さを支える為の骨組みはしっかり作るべき。
それが家としての住まいを守る本来の役割だと思います。

では他に方法は無いのか?
という所ですが、実はあります。
なんとですね。
【構造計算(柱の座屈検討)により安全性を確認する場合】は、柱の小径の確認を省略可能(※現行どおり)
という一文があります。
要は、構造計算きちんとしたら柱の太さはその計算値で現在の太さでも良いよという事です。

こことても重要な部分です。

構造計算をしているか、していないか。
これで柱の太さが変わり予算が変わります。
ちなみに、構造計算も費用は必要なので、現在の通りといっても
費用が1円も増えず、現在のままとはなりません。

2025年4月には、
①柱を太くして、木材予算を大幅に増やす
②木材予算は変えずに、構造計算の費用だけ増やす
③木材予算も変えず、構造計算もせず、天井低めの家にする
の3択を選ぶ必要が出てきます。

個人的には恐らく2番が主流になるだろうと思います。

結局は耐震性能を測るうえでは構造計算が必要ですし、補助金を受けようとすると長期優良住宅など
構造計算しておいた方が良い高性能住宅を選ぶ人もしくは選ばざるを得ない人となるのかなと思います。

このように最近は色んな減税、補助制度と性能が密接に繋がり易くなりました。

是非皆さんもこの大きな改正の波を事前に知って頂いて、
自分たちの家づくりの方向性を考えてみてください。

ご覧いただきありがとうございました。
※この内容はYouTubeにも投稿予定です※




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