Reason

パッシブデザイン

パッシブデザインとはなにか。

特別な機械に頼らず、太陽光、熱、そして風といった「自然エネルギー」をそのまま利用し、快適な室内環境をつくりだす考え方や設計手法のことを言います。
自然の光や風を上手に活用し、室内を冬あたたかく、夏すずしくするため、電気やガスなどへの依存率が減少し、省エネでありながら快適で健康的な暮らしを実現することができます。

1. 断熱

断熱は「冬暖かい家」を実現させるためにとても重要です。
断熱性能を高めることは、リビングなどの普段生活をする居室と、一時的な使用に留まる洗面所やトイレなど非居室との温度差を無くすことにも繋がります。
断熱性能向上=住宅の保温性能向上であり、少ないエネルギー(光熱費)で「冬暖かい家」を実現できます。
このメリットはとても大きく、現代の課題と言える健康寿命の増進にも繋がります。
まず建物に一定以上の断熱性能を組み込むことが、パッシブデザインのベースをつくることになります。

断熱性能や保温性能を表す指標

建物全体の断熱性能の指標として「UA値」が、また断熱性能も含んだ保温性の指標として「Q値」があり、実際にその建物がどの程度の断熱性能を持っているかを知るには、こうした指標をみることが確実です。以下に地域ごとの基準値(上限値)を示します。

地域ごとのUA値・Q値の基準値(上限値)

断熱性能(保温性能)を高めることによる冬のメリット

この「基準値」の3割増し程度に断熱性能(保温性能)を高めると、満足度の高い住まいを目指すことができ、冬のメリットも高いレベルで実現できるはずです。

  • 少ない熱で部屋を暖めることができる(省エネ性)。また暖房していなくても室温が一定に保たれる(快適性、健康性)
  • 暖房している部屋と暖房していない部屋との温度差が小さくなる(快適性、健康性)
  • 窓、床、壁などの表面温度が高く保たれる(快適性)

断熱には、適切に断熱材の種類や工法、厚みを選んで施工することで、建物の保温性が高まり、冬期の大きなメリットが得られます。

2. 日射遮へい

夏の暑い日差しを室内に入れないための日射遮へいは、夏場における快適性と省エネを実現させるための基本です。
ここ数年で冬対策としての断熱性能は情報が増えましたし、断熱性能をアピールする会社も多いですが、逆に夏場に対する対策が忘れられているように思います。
とくに「断熱性能(保温性能)を高めていくと、夏の室内が少しずつ暑くなっていく」という現象が起きるのですが、この問題を解消するには日射遮へいのデザインをしっかり考えることが重要です。

窓まわりの日射遮へい

一般的な住宅で、夏場に室内へ流入する熱の割合は窓から6割、そして窓面積の何倍もある外壁からは1割ほどしか入りません。外壁の断熱をいくら強化しようと、窓まわりの日射遮蔽対策をしないと、住宅の性能向上は出来ません。
ピースホームでは、窓ガラスの種類に「遮熱型・断熱型」を使い分けています。その他にも直射光を遮るポイントとして「庇や軒を考える」「窓の外側に日除け措置を設ける」というところです。
ピースホームでは、1年中快適でくらしていただけるよう、軒の長さを太陽角度や方角などから計算し、設計しています。夏は強い太陽光を遮る優しい影に、冬は太陽光を室内に取り込み、部屋をぽかぽかにします。

3. 自然風利用

レベルの高い通風のデザインを進めていくときのポイントとして挙げられるのが「卓越風向」「立体通風」「高窓」「ウィンドキャッチャー」です。建物の中での風の流れを予測しながら窓の配置や大きさを考えることを基本に、こうしたポイントを建物に組み込むことが重要になります。

袖壁のデザインや、窓の配置を工夫して、風をつかまえて流れを変え、室内へ取り入れる「ウィンドキャッチャー」
天井に近いところに設ける「高窓」。建物に溜まった熱を排出させる効果は劇的です。
吹き抜けや上下の窓配置により風を通す「立体通風」。

これらの工夫を取り込みながら、家の中の風の動きをピースホームはデザインします。

4. 昼光利用

昼光利用のデザインが目指すのは、昼間に人工照明を点けなくても過ごせるようにすることであり、また自然光による快適な明るさを実現させることです。そのときの基本は「昼間に長く過ごす部屋には2面に窓を設ける」「それ以外の部屋には少なくとも1面に窓を設ける」ということなのですが、他にも様々な”工夫”があります。

例えば
北側の窓は、昼光量は少ないものの安定して明るいので、高窓で部屋の奥に光を通す。
東西の窓は、朝夕の日差しが厳しいので、窓の位置や高低差を利用して光を取り込む。
室内ドアの上部に明り取りのガラスブロックを取り付ける。
など。
部屋で過ごす時間や住まい方に合わせて、明るい快適な昼光をデザインします。

5.日射熱利用暖房

「日射熱利用暖房」とはその言葉の通り、冬に日射熱を室内に採り入れて暖房に使うという設計技術です。このときに重要になるのが、日射熱を採り入れる「集熱」、入った日射熱を逃さないための「断熱」入った日射熱を蓄えておく「蓄熱」の3つのデザインをしっかり考えることです。この3つが高いレベルで実現できれば、快適性と省エネルギー性が極めて高い建物になります。ただし、地域によっては日射熱利用暖房があまり効果的ではない場合があったり、敷地の南側に建物などがあると冬の日射が遮られ十分な集熱ができないため、事前に建物の配置と土地の日当たり、隣地との距離などの検討を行うことが重要です。