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モミの木の性能・こだわり

モミの木ってどんな木?

モミの木はマツ科モミ属の常緑針葉樹で、主に北欧やシベリアなどの寒冷地に分布しています。
近年の研究でモミの木にはくらしに優しい効能があることがわかりました。
クリスマスツリーで有名なモミの木ですが、抗菌・防カビ効果のあるモミの木を家の中に入れることで、空気の浄化をして家族の健康を守ろうとしたことがクリスマスツリーの起源だと言われています。
ピースホームでは、モミの木の性質を正しく理解し、最大限活用した、「家族にやさしい」住宅環境づくりをしています。

1. 柾目取り

木の切り方には大きく分けて2種類の切り方があります。
実は、どちらの切り方を選ぶかで、家の中の空気環境は大きく変化します。
一般に、丸太の中心に対して直角に切ったのが「柾目(まさめ)取り」というものです。
逆に、平行に切ったのが「板目(いため)取り」です。

ピースホームのモミの木は全て柾目取りをしています。
柾目の板は板目のものよりも価格が高いです。その理由は希少性にあります。
モミの木の柾目は、加工前の丸太全体のうち、使える部分が約5%しかありません。
なぜ、このような5パーセントしか取れない貴重な材料を扱うのか?

柾目取りを選ぶ理由は何なのでしょうか。

板目取りの代表例:ワイン樽
柾目取りの代表例:ちらし寿司の桶

木の切り方の効果が分かる用途の代表例が、この樽と桶です。

板目取りが活用されている代表例は、ウィスキーなどお酒の保存につかわれる樽です。
保存の用途ですから、当然、液体がこぼれてはいけません。
板目取りは水を通さない性質をもっています。

柾目取りが活用されている代表例はちらし寿司の桶です。
ちらし寿司をプラスチックの桶で作ると、ご飯がベタベタするのを知っていますか?
理由は簡単です。
ご飯の水分をプラスチックは吸わないから。
だから、いつまでもプラスチック製の桶はご飯がベトベトしやすいです。
うちわでパタパタ扇いでも、一苦労です。でも、昔ながらの木の桶で作ると、そうはなりません。
この理由も簡単です。
桶が、ご飯の水分を吸ったり吐いたりして調湿してくれるから。
だから、木の桶で作るとちらし寿司が美味しく出来上がります。
柾目取りは優れた調湿性能をもっています。

家でもこの切り方を上手く使い分ける必要があります。
一般に無垢材と言われるものは、この板目取りと柾目取りがゴチャ混ぜにされていますが、使い方を考えてみれば自ずと使用場所がわかってきます。
水を通しにくい板目取りは外壁に、逆に調湿し易い柾目取りは室内に。
そういう使い分けをする事で、過ごしやすい家が出来上がります。

ピースホームでは室内を快適な湿度にするために、調湿性能の優れた柾目取りのモミの木を室内の床や天井に使用しています。

2. 天然(自然)乾燥

天然乾燥は、太陽や風といった自然エネルギーを利用する乾燥方法で、木にとっても環境にとっても一番やさしい昔ながらの方法です。
天然乾燥されたモミの木は人工乾燥された木材には無い、木が本来もつ香りを残しつつ、もっとも大切な油分を保つことが最大のメリットです。

モミの木は遥かドイツの森で樹齢200年もの年月を過酷な自然環境の中で生き抜いてきました。そのモミの木を家の中で使用するために、ほんの1年程度の時間をかけることはごく自然な乾燥方法です。

木材を見分ける!天然乾燥木材と人工乾燥木材の違い

天然乾燥材と人工乾燥材には、それぞれの特徴があります。
大量生産、素早く寸法安定を目指したのが「人工乾燥材」
逆に木材本来の風合いや美しさを残した「天然乾燥木材」
自然環境や人に優しく、空気の澄んだ家づくりをするには、「天然乾燥木材」が最適だと私達は考え、自信をもっておすすめします。

  色艶 香り 乾燥期間 調湿性能
天然(自然)乾燥 木が本来持つ油分が残るため、木材本来の独特の色艶が出る 木の自然な香りを持つ 長期間の時間が必要(1年~) 木の細胞壁が残ったままなので調湿性能が高い
人工乾燥 色むらが少なく一定の色合いで揃えられるが、色艶が少ない 人工的に乾燥させる分、匂いが少ないもしくは、時間経過によって匂いが薄れる 3~10日程度 細胞壁が乾燥時に壊れるので、調湿性能は低い
天然(自然)乾燥
色艶 木が本来持つ油分が残るため、木材本来の独特の色艶が出る
香り 木の自然な香りを持つ
乾燥期間 長期間の時間が必要(1年~)
調湿性能 木の細胞壁が残ったままなので調湿性能が高い
人工乾燥
色艶 色むらが少なく一定の色合いで揃えられるが、色艶が少ない
香り 人工的に乾燥させる分、匂いが少ないもしくは、時間経過によって匂いが薄れる
乾燥期間 3~10日程度
調湿性能 細胞壁が乾燥時に壊れるので、調湿性能は低い

3. 浮造り加工

浮造り加工(うづくりかこう)とは、木の年輪を加工によって立体的に浮きだたせ、木の魅力である木目を見た目や感触で感じられるように施された加工の事です。
木の表面を触わると、デコボコとしているものが浮造り加工です。

実はこのデコボコ、足裏が適度に刺激され身体のバランスが良くなったり、肩こりや腰痛、偏頭痛などの予防に効果があると言われています。

足は「第二の心臓」とも言われるくらい重要ですから、この浮造り加工によって適度に刺激され健康的な素足の生活が出来ます。

ここからが、もう一つ重要なポイントです。
「じゃあ他の杉やヒノキでも浮造り加工してれば同じなの?」と思われると思います。

実は違います。
浮造り加工で大事なのは、2.でご紹介した「柾目取り」なんです。
浮造り加工は「細かいデコボコ」を作る事によって、効果が発揮されます。
「板目」の浮造り加工では、木目の間隔が「広すぎるデコボコ」なので、足裏が刺激されず本来の効果が発揮されません。
モミの木は寒冷地の樹齢150年~200年という高齢の大木を柾目取りしていますから、年輪の密度も細かく、さらに柾目によって浮造り加工がより凹凸を際立たせてくれます。
いかに柾目(まさめ)が大事であるかという事なんですね。
当然、細かい浮造りであればあるほど、木の表面積が増え、細かな木目による蓄熱効果も高いのです。
モミの木の家に使われるモミ材は、樹齢150年から200年もの大木から切り出して、お手元に届きます。
長い年月を自然の中で暮らしてきたモミだからこそ、「細かな木目」であり、「効果のある浮造り加工」が出来るんですね。

4. 天然更新の森

モミの木が在るドイツ、シュバルツバルトの森は日本では珍しい針葉樹の天然更新の森です。天然更新の森とは、植栽に頼らず、種子の自然落下などによって天然の力で木々が育っていく森のことを指します。
一般的には、種子を多く付ける広葉樹が天然更新の森(天然林)に向いていると言われますが、住宅用の木材として使われる木は針葉樹が多く、日本では針葉樹の森の多くが人工的に植林された森となっています。

ここで知っておいて欲しいのは、植林された人口の森が悪いわけではなく、その森の木々をどのように扱うかで、天然更新の森を選ぶ必要性を知って欲しいのです。

モミの木をあえてドイツから輸入するのには、この天然更新の森である事が重要なのです。

天然更新の森では、種子の自然落下で木々が成長していきます。当然、人の手で育つ場所は選べません。まさに自然の力のみで木々は生き抜いていきます。
そんなドイツシュバルツバルトの森では、森林官という職業の人が森林を管理しています。
この森林官制度によりドイツの森は、実に200年以上もの間【持続可能な森林】として管理されています。
そんな森林管理された森の中で、私たちの手元に届くモミの木は樹齢150年~200年ほどの大径木が選ばれます。
この高齢の大木が選ばれる理由はシンプルです。
長い年月を生きてきたモミの木が種子を落とし、稚木といわれる芽を出して間もない若木を育てるためです。
大きく育ったモミの木を森林官が選び、択伐することで、稚木を育てていくと共に、森林全体を上手く天然更新させてゆくことができます。

皆伐といわれるように全てを伐採するのでは無く、育てていくものは残し、役目を終えた高齢木は次の役目に向けて択伐される。
これがモミの木の在る天然更新の森です。
こうして年間に決められた量のモミの木が日本に輸入され、加工されていきます。

樹齢150年~200年のモミの木は、当然大きな丸太となります。この丸太の大きさが、私たちのお勧めするモミの木の床でとても重要な【柾目】と言われる木目の出方です。
丸太の状態から、どんな切り方をするかで木目は変化します。
実は、この柾目という木目の状態はとても貴重なもので樹齢150年~200年のモミの木の大木でも約5パーセントしか取れません。
しかし、この5パーセントの柾目が、家の中の室内環境を大きく変えてくれます。
木を森林管理で適切に択伐するから、柾目のモミの木の床は完成します。
これが天然更新である森を選ぶ理由です。
柾目にこだわるから、自然環境の中で伸び伸びと育てられた【大木であるモミの木】を選び、そして択伐された高齢のモミの木は、家に住む私たちを守るという次の役目を受け継いでくれています。

5. 針葉樹

広葉樹と針葉樹という言葉を知っていますか?

無垢材と言われる木材にも、実はそれぞれに違いがあります。中でも大きな違いとして、広葉樹と針葉樹という分類があります。
どういう風に違うかと言えば、読んで字のごとく、広葉樹は葉っぱが広い形をしていて、針葉樹は葉っぱが針のように細い形をしています。また、針葉樹の幹はまっすぐ垂直方向に高くのびますが、広葉樹の幹は水平方向にも大きく広がります。

針葉樹の代表格としてはスギやヒノキなどの木があり、広葉樹にはクリやケヤキなどの木があります。

住宅に使う材料として考えると、針葉樹はまっすぐな材料がとりやすいことや、軽くてやわらかくて加工がしやすいことから、柱や梁など耐久性や粘りの求められる家の骨組みに多く使われてきました。一方、広葉樹は表面が固いものが多く、頑丈でキズがつきにくいといった特徴があるため、家具に多く使われています。最近では広葉樹を床材に使う人も多いですね。

このように、住宅をつくるときは、それぞれの木の特性を活かして、目的に合った材料を選んで作ります。
さて、ここで気になるのが「室内の床を選ぶ目的」です。

室内の床は何の為に存在しているのか?
それは家の中に住む人が、気持ち良く歩けるようにではありませんか?

決して、色が綺麗だからとか、傷が付かないからだけで選ぶ訳では無いと思います。

私達が提案するモミの木は、針葉樹です。
柔らかくて、傷が付きやすいなんて言われる針葉樹ですが、逆を言えば素足で歩いても程良いクッション性で足に疲れが残りません。
傷は付きやすいですが、お手入れは簡単に出来るよう加工に工夫が施されています。

そして最も重要なのが、森林浴の元となるフィトンチッドを出すのは針葉樹だけという事実です。

室内を快適な空間にする為には、針葉樹の出すフィトンチッドが欠かせません。
このように床材を選ぶ目的を、室内環境を向上する手段として考えてみる事を私達はご提案します。

良い室内環境造りは、針葉樹を選ぶ事から始めましょう。

6. フィトンチッド

樹木から放出される揮発性の物質を「フィトンチッド」といいます。
簡単に言うと「木の香り」のことです。
このフィトンチッドは5で触れた針葉樹でしか発散しない物質です。これも室内に使う木材として針葉樹を選ぶ理由の一つです。

この「フィトンチッド」という言葉、1930年頃、今からおよそ80数年前に当時旧ソ連のモスクワ動物園実験生物研究所に在職していたトーキン博士が、植物の発散する殺菌や殺虫などの不思議な力をフィトン(植物)がチッド(殺す)すると名づけたことが始まりだそうです。

そのフィトンチッドの中でも、生命力の強いモミの木だけが持つ「ボルニルアセテート」という揮発性物質があります。
この「ボルニルアセテート」は、抗菌・化膿防止・精神安定などの各種医療薬品の原料としても重要な物質で、空気中のウィルスを少なくしてくれる効果があります。

また、家の中の空気を吸うだけでリラックス効果も期待できます。
フィトンチッドを放出するモミの木を家に使えば、自然と家が空気清浄器の役割を果たしてくれるというわけです。
通常、揮発性物質というものはすぐに空気中に消えてしまうのですが、モミの木だけが持つボルニルアセテートは、空気中に長時間存在することができます。
香りが消えてしまっても、薬効成分は放出し続けるのです。
という事は長い間、家の中の空気を正常化し、リラックス効果を発揮し、人が本来持っている自己治癒能力を促進することが可能なのです。

このフィトンチッドの成分を生かすには針葉樹の木であることと、木の細胞を壊さない天然乾燥された木材であることが、とても重要です。